誰もが知ってるプーさん。
そのプーさんの親友のクリストファー・ロビンが大人になってからの再開を描くお話。
初日に見てきました。
あらすじ
大人になったクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は愛する妻と娘とともにロンドンに暮らし、忙しい日々を過ごしていた。ある日、重要な仕事を任され、公園のベンチで頭を抱えていると、かつての大親友であるプーが現れる。
出典元:MovieWalker
感想
オープニング、これぞプーさん
オープニングが素晴らしい。
クリストファー・ロビンはプーたちと別れ寄宿舎に入る。
成長し、のちに妻となるイヴリンとの出会いや、出征のため汽車に乗り込むシーン。
娘であるマデリンが生まれ、クリストファー・ロビンが戦地から帰ってくるシーン。
これを絵本っぽさと実写を織り交ぜて見せる。
1本の短編映画のよう。
絵本っぽい部分は昔見たプーさんを思い出させるものであり、実写部分はクリストファー・ロビンの成長を端的に描いている。
そこまでプーさんに思い入れがあるわけでもないが、このオープニングに懐かしさも新しさも感じられ、このあとのストーリーにも期待が膨らみます。
大人になって忘れてしまった大切なもの
こどものころは100歳になってもプーのことを忘れないと言っていたクリストファー・ロビンも、大人になったらプーのことなどすっかり忘れてしまっています。
「夢はただでは手に入らない、がんばらないと」
「大人としての責任がある」
「何もないところからは何も生まれない」
こう言い、毎日家族より仕事を優先するクリストファー・ロビン。
妻イヴリンは仕事一辺倒の夫になかばあきらめ気味。
娘マデリンはお父さんに構ってほしい、もっといっしょにいたい、と思っているものの言い出せない。
でも、クリストファー・ロビンも家族のことを考えてない訳じゃないんです。
家族のことを考えているからこそ、仕事で頑張ってる。
娘の将来のことを考え、娘にも自分と同じように寄宿舎に入れて生活させようとする。
家族とのすれ違いですね。
特に、こどもだからこそ今を大切にしたいマデリンと、将来のために今を犠牲にしようとする大人のクリストファー・ロビンはすれ違っています。
マデリンが寝る前に読んでほしい本にも気づきませんし、週末の実家へ向かう際、車に乗ったマデリンは手を振り返してくれません。
もちろんクリストファー・ロビンもこれでいいと思ってはいないはず。
これでいいのか?と、迷っています。
でもプーたちとの再会で変化があります。
「自分は変わってしまった」というクリストファー・ロビンに、プーは「変わってないよ」と言います。
ロビンが「迷子なんだ」と言うと、プーは「でもぼくが見つけた」と。
この瞬間、昔の関係に戻ります。
ずーっと自分を待っていてくれた、昔からまったく変わらないプー。
大人になって忘れてしまっていたけど、クリストファー・ロビンもこどものころは「何もしないことが好き」だったことを思い出したはず。
そして、マデリンのことについても考えたはずです。
自分が行きたかった訳でもない寄宿舎にマデリンを行かせることが本当に幸せなのか?
本当にそれが家族のためなのか?
クリストファー・ロビンはプーと再会したことで、自分と家族のあり方を考えることができました。
現実においても、日々の仕事や生活に追われて、日常がないがしろになってしまうことはありますよね。
将来のことはもちろん考えないといけないことではあるんですが、将来のことばかり考えていたら、今を大切にすることはいつまでたってもできません。
どうすればいいのか、この映画のなかで答えを提示してくれるわけではありません。
でもちょっと立ち止まって、自分のこと・家族のことを考えてみる時間を作ってみようと思わせてくれますね。
中盤中だるみ?
とはいえ「本当に大切なものは何か?」と問われれば、「家族」という答えは定石。
予想できてしまう結末に向かうストーリーなのであれば、もう少し中盤の展開を盛り上げてほしいと感じる。
100エーカーの森で繰り広げられるストーリーも、ロンドンでのドタバタも、なんとなくもの足りない。
こう思ってしまうのは、わたしが大人になって忘れてしまったものがあるからなのだろうか?
それとも大人になって心が死んでしまったのだろうか?
(「大人になると、心が死ぬのよ」が聞きたければ『Breakfast Club』をどうぞ)
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おわりに
日本語吹き替え版で見たんですが、ティガーの声の玄田哲章、サイコーです。
歌も懐かしいし。
ウサギのラビットは、アニメ版とちょっと違いすぎるような気もするけど。。
もっと黄色くて頑固なイメージだったんだけどな。
見ててこんなのいたっけ?という感じでちょっと違和感。