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実話がベースのNetflix『アンビリーバブル たったひとつの真実』ラストは切ない大どんでん返し【海外ドラマ】

自分の話が誰にも信じてもらえない。

そんなことがあったら、結構へこみますよね。。

へこむくらいであれば何とかなりますが、今回はそれどころではない海外ドラマのご紹介です。

実話をもとに作られた『アンビリーバブル たったひとつの真実』です。

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『アンビリーバブル たったひとつの真実』はいったいどんな話?

マリー・アドラーは実の親からの虐待により、幼少期のほとんどを里親のもとを転々として過ごしていました。

18歳の時、里親のもとから離れ独り立ちするためのワシントン州で社会奉仕プログラムに参加します。

そのプログラムは、問題を抱えたこども達がアパートの1室をそれぞれ与えられ、カウンセリングを受けながらも仕事をさせ、ひとり暮らしを促すものです。

そんな中で生活をしていたマリーは、覆面の男から脅されレイプを受けてしまいます。

マリーは警察官に向けて被害の内容を告げ、警察官は調書のため質問します。

男性刑事もあとから到着し、マリーに対して事件の内容について何度も聞き取りを行います。その後に検査を受けにいった病院でも同様に事件のことを話す必要に迫らされます。

 

しかし里親のひとりは、マリーがこれまでの里親のもとを転々としていた経緯から、「他人の気を引きたい」がためにレイプ事件をでっち上げたのではないかと疑い、男性刑事にもそれを話してしまいます。

 

マリーのアパートの部屋からも犯人に結び付くような確実な証拠は出てこず、男性刑事はマリーの報告が真実ではないと判断し、被害を撤回するよう執拗に圧力をかけます。

度重なる長時間の聞き取りや男性刑事の高圧的な態度から圧力に屈し、事件のショックもあったマリーはレイプ事件は自分がついた嘘だったと認めてしまいます。

 

一方3年後、マリーの住むワシントン州から離れたコロラド州でレイプ事件が発生し、女性刑事カレン・デュバルが捜査を進め始めます。

ベースとなった記事はピューリッツァー賞を受賞

『アンビリーバブル たったひとつの真実』のベースとなったのは2015年のある記事です。英語ですが、今でも読むことができます。

この記事、『アンビリーバブル たったひとつの真実』のベースという表現ですが、基本的にはドラマとほぼ同じ内容なので、ドラマをほぼ実話ととらえてもよいと思います。

 

この記事は2016年にピューリッツァー賞の調査報道部門を受賞しています。

(調査報道部門は、重要で複雑な主題を明らかにする解説報道の卓越した例に対して贈られるそうです。)

 

この記事の記者は、たとえばアメリカではFBIが作った殺人犯や強姦犯のデータベースがレイプ事件に対してはまったくといっていいほど使用されていないことも、別の記事にしています。

ラスト、絶望感から解放されたあとの安堵感が半端ない

マリーは、レイプが自作自演であったことを警察に認めてしまいました。

マスコミにそのことが漏れてしまい、友人たちや里親、カウンセラーの信頼を失い、仕事にももちろん集中できず、孤立を深めていきます。

しかも自暴自棄になりマリファナを吸い飲酒を行ったすえ、門限を破ったため、アパートも追い出されてしまいます。

誰も自分のことを信頼してくれず、何を言っても信じてもらえない状況。

「毎朝、起きて何の希望も持てないのが一番つらい」と自殺さえ考えてます。

 

このドラマ、冒頭からほぼラストまでマリーの寂しげで、すべてをあきらめたような表情が印象に残ります。

マリーが楽しげなのは、ビーチで楽し気に笑う写真の中の過去の彼女だけ。

暴行を受けていた最中にも、目隠しされた隙間から彼女にもその写真が見えていました。もうあの当時の自分には戻れない、そう思いながら見ていたようにも感じられます。

 

最終的に犯人は逮捕されます。

でもマリーにとってうれしかったのは犯人が逮捕されたことではありません。(それが何かはドラマ観てください。)

犯人が逮捕されたことを知ったあと、彼女はビーチに来ます。

わたしには、レイプによって失ったあの写真の頃の自分を取り戻しに来たように思いました。

ラストシーン、マリーが新天地に向かう顔は希望に満ちています。

オバマ前大統領も認めたドラマ

この『アンビリーバブル たったひとつの真実』はNetflixで2019年9月13日から見れるようになったんですが、なんと9月末までの約2週間で3200万回視聴されたとのこと。

 

また、オバマ前大統領が2019年の良かったドラマのひとつとして挙げています。

映画はいくつも挙げてますが、ドラマは3つしか挙げられてませんので、そのうちのひとつになったのは、それほど良かったということでしょうね。

 

おわりに

『アンビリーバブル たったひとつの真実』も含まれますが、いわゆるリミテッドシリーズとかミニシリーズと呼ばれるドラマにはいいものが多いと思っています。

2020年のエミー賞も受賞できると、個人的にはかなり期待しています。(リミテッドシリーズ作品賞にノミネートしてます)

マリー役の子もいいんですが、カレン・デュバル役のメリット・ウェヴァーが本当にいいですね。バリバリに仕事ができる刑事というわけではないんだけど、被害者のことを本当に考えて仕事している、という雰囲気が伝わってきます。

 

まだ『アンビリーバブル たったひとつの真実』観てない方、ぜひNetflixでどうぞ。