クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』2回見てきました。
理解できていないことも多いですが、感想書いてみます。
- あらすじ
- 初見じゃまったく理解できない!
- 過去と未来が交錯!
- 伏線の回収が見事
- ラストシーン間際、ニールはふたりいた!?
- そもそもTENETって何よ?
- ジョン・デヴィッド・ワシントン、注目してたよ
- おわりに
あらすじ
名もなき男に課せられたのは、時間に隠された秘密を解き明かし、人類滅亡よりも悲惨な事態を引き起こすという“第三次世界大戦”を止めること。男は、時間を巻き戻す“時間逆行”を操り、人類が信じ続けてきた現在から未来に進むというルールからの脱出を試みるが、そのミッションのカギとなるのが、「使い方しだいで未来が決まる」という謎の言葉“TENET”だった。
初見じゃまったく理解できない!
エントロピーを減少させることで時間を逆行できるらしい。
エントロピーがどうのこうのなど論理的には全く説明もされないし、されても理解できないが、もはやストーリー云々などどうでもよくなってくるほど今までの時間の概念がぶっ飛ぶ映像表現の数々は圧巻。
全くそのスピードについていけない!
頭で理解しようとしているうちにどんどん話が進んでいく。
ただストーリーが進むにつれて、そこがこれの伏線だったのか!など、パズルのピースが徐々にはまってくるように理解も進むんですが、初見じゃ見終わってもわかんないことだらけです。
過去と未来が交錯!
厳密にいうと今時点において、過去から時間の流れ(通常の時間の流れ)と、未来からの時間が逆行する流れが交錯するんですよね。
なので過去からの時間の流れから見ると、未来から逆行する流れにいる人たちは後ろ向きに動いているように(いわば逆再生させられているように)見えます。逆に未来から逆行する時間の流れにいる人たちにとっては、過去からの時間の流れにいる人たちが後ろ向きに動いているように見えます。
なので、いわば第三者視点である我々映画を鑑賞している人からは、今どっちの視点で映像が流れているのかを意識しないと、逆回しの映像を見せられているように感じ(実際そうなんですが)ホントに混乱します。
最初車が高速で逆走しているシーンを見て、スゲーなこんなことできるのか?と思ってたら、実はあれは未来からの逆行する時間の流れの方だったんですよね?(今でもあんまりわかってない(笑))
いやなんとなくわかってはいるんですけど、鑑賞後の今でも混乱しています。
そもそも逆回しの動きの人とフツーに戦えたりできるんですかね?大変じゃない?まぁ未来の自分は過去の自分を知っているので、そこは何とかできるかもしれないですけど。(自分と戦う分には、という意味で)
スタルスク12での最後の戦闘シーンでは、自分が主体の時間の流れの攻撃だけでなく、反転側の攻撃もあったり(破壊された壁に隠れていたら、時間が戻って壁が復元されて死ぬシーンとか)、今まで見たこともないシーンの連続で驚きました。
「無知が武器」っていうセリフもあったように、知らないことが逆に有利になるっていう発想も面白いですね。未来から過去に戻ってこれるので、知っていることが不利に働いたり、逆の逆でやっぱり知っていた方が有利だったりと、これまたこんがらがってきちゃいます。
伏線の回収が見事
タイムリープものとか時間を操作する作品は、伏線とその回収が重要だと思います。
その点『TENET テネット』よくできてます。
セイターの妻キャサリンはベトナムでヨットに戻る途中、ヨットから飛び込む未来の自分を見て「自由な彼女に嫉妬した」と言っています。これは彼女がラストには自由と息子の両方を手に入れるという伏線になってます。
また、消防車からプルトニウム241と盗み出す作戦では、作戦前からニールの運転する車の右のサイドミラーが割れています。これも途中で時間の交錯の中で銃弾を受けたもので、その後もとに戻っています。
ラストシーン間際、ニールはふたりいた!?
スタルスク12で別行動していた主人公とアイヴスのふたりは、鍵のかかったゲートを通れずにいます。その時ゲートの向こう側で倒れていたのは、もしかしてニール!?
彼がゲートの鍵を解除するんですが、本来ニールは青い目印をつけたチームとして行動しており、ニールはセイターの側近ボルコスによって入り口が爆破されるのを見ていて中には入れなかった。そもそも主人公とアイヴスを外から車で引っ張って助けたのはニールなので、中にはいないのは確実。
つまりゲートの中で倒れていたのは、別の未来から来たニールだ!
それ以外に考えられないですね。バックパックに赤いキーホルダーみたいなのがついてましたしね。シーンとしてもその二人目のニールが、一人目のニールが載るはずだったコンテナに乗り込んでいます。
ちなみに、序盤のオペラハウスで主人公が爆弾を設置しろと言われピンチに陥った時に逆行弾で主人公を救ったのもニールでした。(バックパックの赤いキーホルダーあり)
そもそもTENETって何よ?
ラテン語の回文「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」から着想を得たもののようです。(意味的には「農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする」と翻訳できるようですが、SATORを農夫ではなく農耕神サトゥルヌス、AREPOを名前ではなく「大地の産物」と解釈して二重の意味を持たせていると取ることもできるらしい。)
回文の逆から読んでも同じ読みになるのを、時間を巻き戻すというのと関連付けたんですね。
また、この回文に出てくる単語すべてが、映画の中に出てきます。
SATOR(セイター)はロシアの武器商人の名前として、AREPO(アレポ)はゴヤの絵の贋作者の名前、OPERAは序盤に出てくるキエフ国立オペラハウスとして、ROTASはオスロ空港の警備会社の名前として出てきます。
なかなか凝ったことをしますねー。
ジョン・デヴィッド・ワシントン、注目してたよ
わたしは前々から注目してたんですよ、ジョン・デヴィッド・ワシントン。
デンゼル・ワシントンの息子さんですね。
元はアメフトのプロの選手でした。
アメフトを題材にしたドウェイン・ジョンソン主演の海外ドラマ『Ballers/ボーラーズ』に出演していました。
『Ballers/ボーラーズ』はアメリカではすでにシーズン5までで完結してるんですが、日本だとAmazonプライム・ビデオでシーズン2まで見れます。(シーズン3以降はどうなってんだか。。)
NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)が舞台の話ではありますが、アメフト全然知らなくても楽しめます。
ジョン・デヴィッド・ワシントンはアメフト選手役ですが、元プロ選手だっただけあって、体格やトレーニングしてる姿なんかは納得感あります。
『Ballers/ボーラーズ』おススメです。
おわりに
クリストファー・ノーランはこの映画を作る際に、ノーベル賞も受賞している物理学者に時間と量子力学について相談していたらしいです。
そんな人と作った作品を一般人がわからないこと多すぎなのは当たり前なのかも。。
もうむやみに理解しようとせずに楽しんでみるのがいいようにも思います。