マンガが原作の『キングダム』。原作は未読。
特に期待もせず観てきました。
あらすじ
紀元前 255 年。春秋戦国時代の中華・西方の国・秦。戦災孤児の信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は、天下の大将軍を夢見て、日々剣術に励んでいた。そんなある日、漂は王都の大臣・昌文君(高嶋政宏)によって召し上げられ、王宮へ。信と漂は別々の道を歩むこととなる。だが、王宮では王の弟嬴成(本郷奏多)によるクーデターが勃発。戦いで致命傷を負った漂は、何とか信のいる納屋に辿り着き、“お前に頼みたいことがある”と告げる。血まみれの手に握られていたのは、ある丘に建つ小屋を示す地図だった。“今すぐそこへ行け”と言い残して力尽きる漂。泣き叫びながらも、信は漂が手にしていた剣と地図を握りしめ、走り出す。
出典元:MovieWalker
感想
全体的に違和感
全編を通して違和感がハンパない。
作ったほうはマジなのかふざけてるのかはわからないが、
まじめに観るのが可笑しくなってきます。
違和感その1:おまえら奴隷じゃないのか
奴隷として売られた信(山崎賢人)は、同じく奴隷の漂(吉沢亮)とともに働かされるという冒頭。
ただ、奴隷にも関わらず大して働いていない。
大将軍になろうと誓い合って2人で剣術の鍛錬をしてるっていう意味の分からない奴隷。
どんだけ自由なんだよ。もはや奴隷じゃない。
ちなみに、働いていたとしても薪を割ったり、木を背中に担いで運んでたりするだけ。
売られた先の家も大して裕福な感じはないのに奴隷が2人も必要なのかと突っ込みたくなる。
違和感その2:説明が多すぎる
死んだ漂が秦の王である嬴政(吉沢亮)の身代わりとして命を落としたことに気づいた信、なぜかそれを全部ことばで説明しはじめる。
説明されなくても観てる方はすでに気づいてるってば。
まさに愚行。
わかり切ったことをセリフとして言わせるなんて映画としてどうなんだ。
違和感その3:主人公たちが強すぎる
嬴政の異母弟である成蟜に乗っ取られた王宮に、同盟を求める山の民のふりをして侵入する主人公たち。
王宮に入れるのは50人だけ。
一方相手方の成蟜は8万人の兵がいる。
何やら8万人の兵はちょっと離れたところにいるらしいけど、ムリでしょ50対80000って。
成蟜軍も弓があるんだから、2階とかから弓矢で攻撃すればいいものを、わざわざ1階から矢を打とうとしますからね。バカです。
山の民は矢で射抜かれても死ななかったり、左慈と戦った壁(満島真之介)は致命傷を負ったっぽかったのに直後にすたすた歩いてたり、主人公側は無敵です。
王宮での戦いが終わった時点で、多分ほとんど死んでない。もはやギャグ(笑)
違和感その4:壮大さを感じない
「人気コミックを壮大なスケールで実写映画化」みたいな誘い文句を聞くんだが、映画の中で大した壮大さを感じない。
8万人の兵が一斉に戦うシーンがあれば壮大だろうけど、そんなシーンは存在しないし。
なんとってもストーリーが秦という国の中の内乱に過ぎないしね。
こんなんなら海外ドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』の方がよっぽど壮大じゃん。
(1話の制作費が10億ともいわれるドラマと比べたらだめか(笑))
夢があるから立ち上がれる
終盤、ラスボス的な立ち位置の左慈と戦う信。
左慈は元将軍だったものの、その残忍さがきっかけで一介の剣豪として成蟜側にいます。
左慈はかなり強く、信も負けちゃいそうになります。
左慈にとどめの一発を食らわせられる間際に、漂と交わした言葉を思い出します。
天下の大将軍になるという夢を思い返した信は、左慈のとどめの一発を剣で防ぎ、蹴りを入れて吹っ飛ばします。
そして一言。
”夢があるから立ち上がれるんだ!夢があるから前に進めるんだ!”
・
・・
・・・
いや待て。
夢とか関係ないだろ。
漂も同じ夢追ってたんじゃないんかい。漂死んでるじゃん。立ち上がってないよ。
え、ここ感動シーンなの?
戦いに夢とかいらなくない?強い方が勝つでいいじゃん。
夢がなきゃダメなんてこともないんだし。
ついでに、嬴政も王騎に夢を聞かれてます。
それは、中華の統一。
・
・・
・・・
え??
ええ??
王騎もそれなら納得だみたいな感じになってるけど、今更そんな当たり前のこと言ってんの?
春秋戦国時代ってもう500年くらい続いてんだよね?
春秋のころは小国は滅ぼさないで従属させるみたいな慣わしだったみたいだけど、戦国に入ったら小国も積極的に滅ぼされてたっぽいし。
その戦国時代に入ってほぼ200年だよね。
その間中国の人たちは何やってたの?何のために戦ってたの?
みんな中華の統一目指して戦ってたんじゃないの?
おわりに
結論としては映画『キングダム』見る価値ないです。
ちなみに途中山の民のところで寝ちゃったので、いつの間にか長澤まさみが仲間になっててびっくりしました(笑)
基本的にマンガ原作の映画って、原作の雰囲気とか良さを壊しちゃうものが多いように思うので、原作ファンもこんな映画見たくないと思うんだけど。
でもたぶんこれ、続編作られそうですね。絶対見ないけど。
唯一よかったのは、大沢たかお演じる王騎。
オネエ口調。原作を踏襲してるんでしょう。知らんけど。
オネエ口調かつ強い。そのギャップがいいですね。
この映画に1800円出すなら、『ゲーム・オブ・スローンズ』見たほうがぜったいいいけどな。
Huluなら1ヶ月間無料で見れます。